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2016-03

災害特別委員会

3月30日、本日は久しぶりの災害特別委員会です。

会派が小さくなっていく度に、特別委員会の割り当てが1つ1つなくなり、寂しい思いをいたしておりましたが、今国会、運良く、私が再度質疑したいと願っていた災害特別委員会が会派に割り当てられたのです。

 

今日、久しぶりの議論の話題に選んだのは、もちろん「福祉避難所」。

以前より災害時や被災後の医療や福祉が手薄だと準備状況などを確認しておりましたが、その中でも一番遅れていたのが、この「福祉避難所」の指定でした。

 

市町村が指定し、国に届け出ることになっていますが、いまだ半数の市町村しか反応がない。

きっと、調査後は指定してくれているだろうと、性善説で物事をかんがえている省庁。

なぜ国はもっと積極的に動かないのか、指導しないのか。

高齢者・障がい者・妊婦など、普通の避難所では生活に困難を強いられる方々には、被災時に、より生活しやすい福祉避難所へ避難してもらえるため、その指定が待ち望まれているのです。

一般に、高齢者施設や障がい者施設など、バリアフリーが進んでいる施設へお願いすることが多いようです。

 

以前、被災地の避難所を視察した際に、高齢の男性が徘徊している姿や階段を上り下りできず困っている足が悪い老齢の女性の姿を見て、この様な事態が二次被害へと発展する危険性を肌で感じてまいりました。

 

また、市町村は避難支援に関する個別計画を作成することになっているが義務化されているわけではありません。

33%の自治体にしかその計画もない状態です。

要支援者のリストはあっても、発災時、だれがどの様に支援するのか分からなければ、東日本大震災の様に、善意が死につながってしまうことも考えられます。

聴覚障がい者はラジオも使えなければ、町内の放送も広報も聞こえないのです。

そして、福祉避難所には支援が必要な障害などをお持ちの方々のために予め物品を準備せねばなりません。

そのガイドラインもこれからとのこと。

 

松本副大臣からは、これから前向きに福祉避難所や災害弱者に対しての支援を考え、日ごろから福祉のネットワークをつなぐ指導を積極的に行っていくと前向きな答弁を自らの言葉で語っていただきました。

 

厚労省では、災害時の福祉広域支援体制(福祉版D-MAT)の設置状況をご報告いただきました。

まだ半数以上の都道府県が準備中とのこと、良い事例については他の都道府県においても横の展開が出来るように紹介していきたいとここでも積極的に動いてくださる様子が見えました。

 

その時がいつ来るのか、そしていつまで非難が続くのか、真剣に考えておかねば災害大国の日本、超高齢化社会の日本において、すべてが後手後手にまわってしまいます。

備えあれば憂いなし。

まさに我々の仕事は、発災時に一人でも多くの命を救い、救った命は決して失わないための制度造りです。

 

河野大臣とは初めてのやり取りでしたので少々驚かれたかもしれません。

しかし、この様に質疑をすることで、松本副大臣や厚労省がやる気になってくだされば、良い循環が生まれてくることでしょう。

 

最近、本当に思います。

誰かがやる気になれば、物事が動く。

誰かが死ぬ気になれば、日本が変わる。

もっと、真剣に日本の将来について考え勉強してくれる仲間が一人でも増えてくれることを願って、今日も、明日の厚労委員会の質問原稿を考えています。

 

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厚生労働委員会

3月29日は、予算委員会だけではなく、雇用保険法改正案の質疑も行われました。

 

今回、私が取り上げたのは、女性の再就職問題です。

以前であれば、妊娠出産で退職していた年齢が25歳くらいで職歴も浅く、再トレーニングも初歩から行わなければならなかったのです。

しかし今や10年15年選手が退職し子育てに一段落したら現場に戻ってくる時代になっているのですが、トレーニング内容は変化せず、相変わらず初歩トレーニングの充実が図られるのみ。

学歴も高く、それなりのスキルや常識、地域社会で培われたネットワーク、子育て経験も活かされず、再就職がゼロベースからのスタートするのでは、宝の持ち腐れです。

 

様々調べていると、「関西学院大学のハッピーキャリアプログラム」に出会いました。文部科学省「社会人学び直しプログラム」の委託事業を経て、7年間、育児休業復帰・再就職・起業支援を行い、1~7期生で合計136名の修了生を輩出し、就業者比率は終了後93.0%。

これを女性は待っていたと。

 

厚労省には、女性の再就職支援が沢山ありますが、だれがどの支援を受けたらよいのか、整理もなされておりません。

また、その情報が当事者にも行きわたっていないのです。

特にある程度のキャリアを積んだ女性、30~40代の女性への支援策が不足していることは、厚労省も認識していました。

 

そこで、実践的・専門的なプログラム「職業実践力育成プログラム」を展開している文科省にも厚労省と連携し、関西学院大学や日本女子大のリカレント過程など、高いレベルへ女性を引き上げ、付加価値を付けて労働市場でその技術を活かせる職場へとつないで欲しいと要望いたしました。

厚労省へは、教育訓練給付金の支給などを通し、文科省の取り組みを応援してほしい旨お願いしたしました。

ここはお互いタッグを組み、積極的に動きたいと答弁をいただきました。

 

また、厚労省では、各都道府県にポリテクノセンターを設置し、モノづくりに特化した就職支援とトレーニングを行っております。

ここでも高い就職率を誇っています。

そのノウハウを活かし、キャリアを中断した女性向けの講座を開設してほしい旨お願いしたところ、是非検討したいと大臣からも前向きな回答をいただきました。

 

様々な情報が雑多にあり、サポート方法を選択するにもこれでは分からないという声が多いため、厚労省と内閣府男女共同参画局 女性応援ポータルサイトの情報提供のあり方について再検討をお願いしました。

この点についても見直しを図るということで、皆さまにも使いやすい整理された情報が間もなく準備されることでしょう。

 

予算委員会とダブルヘッダーで集中力が続くのか心配でしたが、何とか良い答弁にも助けられ終了することができました。

3月は日切れ法案がてんこ盛り。

明日、明後日も災害特別委員会、厚生労働委員会の質疑に立ちます。

予算委員会ではないので手を抜いているなと思われないように、内容を精査し、議論を深めてまいりたいと思います。

 

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予算委員会最終日

3月29日、今日は予算委員会最終日、締めくくり質疑。

と同時に終了後すぐに厚労委員会、本会議と息つく暇ない一日でした。

 

今日は、締めくくりですので、予算委員会の総括をさせていただきました。

本予算委員会では、議員のプライベートな問題や大臣の言葉狩りの為に同一趣旨の質問をエンドレスに繰り返したり、異常と言わざるを得ない状況でした。

社会保障、外交、防衛、経済など待ったなしの状況に、政府も挑発に乗って議論の相手になることは慎むべきだったと感じております。

誹謗中傷合戦に落胆したのは皆さまだったのではないでしょうか。

国会内での議論は尽くされれず、離合集散と選挙互助会体質に、週刊誌ネタが中心となる国会で、日本の未来を我々に託すことが心配になられたことでしょう。

そのように言われても返す言葉がない程、中身のない予算委員会でした。

政治離れ、政治への不信感を煽っているのが、我々国会議員の議論の劣化の結果であることを心しなければならないと、私も反省いたしております。

 

また、女性活躍にも大きな影を落とした予算委員会でした。

残念ながら今回も言葉狩りの為に、女性大臣が自らの言葉で政策を語る機会はほとんど与えられませんでした。

もし、女性活躍の名のもとに能力もないのに大臣という椅子をあたえられたのであれば女性の未来はありません。

批判されるのは女性大臣、批判のために声を荒げるのも女性議員、この様子を見て、自ら議員になりたいと希望する女性が出てくるとは思えません。

女性活躍が有名無実化しているのは「国会」です。

女性議員が初めて誕生したのが1946年4月10日の衆議院選挙。

女性議員の誕生70周年の節目に、総理は何を思うのか、初めて自らの言葉で、女性議員の大変さや今後増やしていきたい旨、お話しくださいました。

 

 

魂の無い法律や制度は、ただの紙きれに過ぎません。

そこに魂を入れ込むのが総理の役割です。

答弁書を読むのではなく、女性政策に対し思うところを、総理自身の言葉で語ってほしいとお願いいたしました。

十分な内容ではございませんでしたが、誠意をもって私の思いに総理が応えてくださったことはこの2年間の予算委員会で初めてのことでした。

 

まだまだ議論を尽くしたいのですが、予算は衆議院の優位、30日ルールがございます。

参議院で採決しなくても、明日、自然成立してしまうのです。

今回は、私なりに自分の専門分野も交え、政府と戦ってきたつもりです。

いかに専門用語を分かりやすく皆さまにお伝えできるのか、本当に悩み苦しんだ1か月、あっという間に過ぎました。

 

また、予算委員会委員長の岸先生は、この予算委員会をもって最後の仕事となられました。

この2年間、予算委員会のかじ取りをしてくださった「素晴らしい」先生です。

これは野党側皆同じ気持ちです。

花束を受け取り、優しい笑顔を返してくださいました。

 

このように、多くの方に支えられながら今回も1か月、不眠不休で走り抜きました。

わたくしも再度、襟を正し、これからも政府と対峙するために日々の勉強を続けてまいります。

少数会派にも十分な質疑時間を与えてくださいました参議院としての良識に感謝しております。

皆さまもも応援いただき、ありがとうございました。

 

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予算委員会

3月28日、予算委員会集中審議、内政外交の諸課題について

 

3月8日は「国際女性デー」です。

それに因んでこの2日、超党派の「乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟」では、参議院議員会館には乳がんと子宮頸がんの検診車各1台を準備し、国会議員とその秘書さんに検診を受けていただきました。

今や、日本の将来を考える上では、女性の健康への配慮が不可欠です。

 

キャリア形成期と妊娠適齢期が重なることによって、婦人科疾患や不妊に悩む女性が増加しています。

また、男女雇用機会均等法で入社した女性パイオニアは今や50代前半。この管理職世代は、体調不良に悩み、更年期の働く女性の25%ほどが仕事量を減らしたり、退職する選択をしています。

 

婦人科領域の病気を抱えて働く女性の年間の医療費支出と生産性損失(病気で休んだり、病気の辛い症状で就業中に効率が低下したため生じた損失)の合計6.37 兆円です。

平成28年度の国土交通省所管合計予算が約6兆円であることからも6.37兆円という数字の重さを感じていただけるかと思います。

 

実は、経済産業省も、東京証券取引所と共同で、従業員の健康管理を経営的な視点で考える新たな試み「健康経営銘柄」を公表することで、企業の健康経営の取組が株式市場等において、適切に評価される仕組みをはじめました。

林大臣からは、これからますます大切になる女性の活躍を応援するために、評価指標として「女性の健康」の視点をさらに取り入れたいと前向きな答弁をいただきました。

 

 

また、働く女性の健康管理は、個々の努力だけではなく、企業にも担ってもらわねば成功いたしません。

そのためには、女性の健康増進によって企業にもたらされる価値を測定する調査研究や、女性が働きやすい就労環境の調査研究、健康経営に取り組む企業が参考にできる事例調査等など厚労省も経産省と連携して行うべきとの主張を塩崎大臣に訴えました。

 

女性の健康があって初めて女性の活躍が成り立ちます。

女性の活躍がこれからの人口減少社会において、少子高齢化社会を支えていくことになるのです。

そのためにも、女性の健康を守る政策を強化すべきだと総理にお願いいたしましたが、現状行われている施策について、答弁書を読むだけに終わってしまいました。

 

とても悔しい思いです。

女性活躍を謳いながら総理の意気込みも聞けないとは。

明日、もう一度、予算委員会締めくくり総括質疑でチャレンジします。

 

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厚生労働委員会

3月24日、厚生労働委員会、雇用保険法改正案質疑。

今日ほど厚労省の穴を呆れたことはありませんでした。

 

今日から審議入りした「雇用保険法改正案」、今回は雇用保険本体の改正よりも、育児介護休業法の改正などに注目が集まっています。

 

仕事と育児や介護との両立ができる様に、介護休業の分割取得や介護休暇の半日単位取得が可能となったり、育児休業の申出ができる有期契約労働者の要件が緩和されたりとライフワークバランスを取りやすくなる内容が含まれております。

また、マタニティー・ハラスメント予防策など、ここ数年で社会的な問題になってきた様々な問題をベースに改正が行われます。

 

まず、私が注目したのは、職業家庭両立推進者・機会均等推進責任者・短時間雇用管理者です。

これらの3つは、女性が差別をされることなく家庭と仕事の両立が図りやすい様に就労管理がなされているのか各職場で中心となり女性の活躍を推進する役割を担うために選任するように努めなければならないとされています。

皆さまの職場では選任されていますでしょうか?

 

厚労省で調べてもらったところ、「職業家庭両立推進者」が選任されているのは、全企業の1.8%。

「職業家庭両立推進者」は民営事業所の27.1%。

「短時間雇用管理者」は全事業所(民営)の6.7%。

どんなに制度を準備したとしても、それを職場に周知徹底したり、導入し先導する「人材」がいないのです。

大臣もこの事実を今日まで知らなかった、何らかの策を打ち周知徹底していきたいと答弁いただきました。

 

また、気になったのは、今回の改正に「不妊治療」に対する配慮が入っていなかったこと。

6組に1組のカップルは不妊を心配しているとされております。

日本は不妊治療大国とまで言われ、厚労省も不妊治療に助成をおこなっている昨今、何故「不妊治療」に対する配慮が今回の法案に盛り込まれていないのか不思議でなりませんでした。

妊娠も高齢化するにあたり、M字カーブの底が5歳高齢化している中、「不妊退職」が職場では大きな問題となっているのです。

実際に、不妊治療の理解が得られずハラスメントが行われたり、不妊治療を行っている女性の4割は不妊治療に対する配慮がないため就労が継続できなかったりと、妊娠・出産と同様の問題が職場で発生しているのです。

 

大臣の答弁にも唖然としました。

平成14年以来、不妊症治療を受けている女性の人数も把握していない。

不妊治療と就労における問題点の調査も行っていない。

審議会で議論していないため、今回のハラスメントの対象に不妊治療は入れられない。

大臣からは、反省の言葉しか聞かれませんでした。

 

何故、もっと頭を柔らかくして制度設計ができないのでしょうか。

あまりにも現場の切迫感と制度の整備がずれています。

これ以上突っ込んだ議論も出来ない中、とにかく調査研究を行ってほしいことと、現場の声に耳を傾けて欲しい旨、お願いして議論を終了いたしました。

 

暖簾に腕押し、不毛な議論・・・・

この状況に諦めず、次の議論に臨んでまいります!

 

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予算委員会委嘱審査

3月23日、予算の委嘱審査。

厚労委員会でも来年度予算案の質疑が行われました。

今日は、昨日の新聞紙面で注目を浴びた「虐待死」について取り上げました。

 

日本小児科学会の発表によれば、子どもの死亡症例を生活歴や成育歴・予防接種歴など詳しく調べてみると、厚労省が発表しているよりも(死亡診断書に基づく)3~5倍多くの子供たちが虐待で亡くなっている可能性があることが分かりました。

 

でもなぜ数値の開きが生じるのか。

それは、死亡診断書は人口統計に使われる資料であり、死亡原因の追究や再発防止に役立てるフォームにもなっていなければ、そのシステムにもなっていないからです。

 

私が本日提案したのは、虐待死を見つけ出すことではなく、残念にも亡くなってしまったお子さんの死を無駄にしないためにも、死亡検証を行い、再発防止に役立てるシステムを構築すべきだということです。

子どもの死亡は、大人と違い、原因不明や事故が多いのです。

そのため、虐待が見逃されたり、予防可能な死も多く含まれているのです。

 

すでに米国・英国・オーストラリアなどでは「チャイルド・デス・レビュー(子どもの死因登録検証制度)」が法制化され、再発防止に役立てられております。

それらの国の統計を見ても、病気以外の死亡事例では約30%が予防可能であったと結論付けられているのです。

例えば、交通事故の多い交差点に信号をつけたり、救急医療体制の見直しが図られたり、子供が落下しない浴槽のデザインが開発されたり、ベット回りのおもちゃに注意喚起がなされたり、そこで得られた知見が、商品開発から医療提供体制まで様々なところに活かされているのです。

 

一方、日本では厚労省が研究者を組織し、分析や研究を行っていたにも関わらず、全く手つかずのまま放置されておりました。

小児科医からも何度もご提言いただいておりました。

様々な審議会でも「子どもの死亡に対する検証を行うべきだ」「子どもの死亡の原因を探るためにも新たなフォーマットを作成すべきだ」との声も上がっていたとのこと。

後は厚労省の決断しだいです。

 

子どもの死因登録検証制度が法制化され、地域で根付いた制度となり、予防可能な死を減少させるシステムが構築できれば、私は大きな意味ある仕事となると思っております。

 

大臣からは前向きな回答をいただきました。

これが法制化されるかどうか、皆さまも見守ってくださいませ!

 

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One Health(ワンヘルス)

One Health(ワンヘルス)をご存知でしょうか?

今、ワンヘルスに向かって世界中の国々が計画を立て、すぐそこに迫っている危機に立ち向かおうとしています。

3月20日、厚生労働省主催で、「人と動物の一つの衛生を目指すシンポジウム」が開催され、勉強に行ってまいりました。

 

世界中で新しい感染症が次々と発生しております。

そのほとんどは人畜共通感染症です。

新型インフルエンザも、エボラ出血熱もマーズも皆、人畜共通感染症なのです。

 

そこで、One World-One Health(一つの世界、一つの健康)という概念が今、重要視されているのです。

ヒトおよび動物の健康の両者が相まって初めて地球上の生態系は保全できます。

ヒトと動物の健康維持に向けた取り組みが必要なのです。

 

その中でも、一番の問題は、薬剤耐性に関する問題です。

感染症にかかると皆さまも「抗菌剤」を処方され、数日うちには症状が落ち着いた経験をお持ちだと思います。

しかし、今、その抗菌剤を使い過ぎて、抗菌剤が効かない細菌が増加しているのです。

このまま対策をとらなければ、2050年には1000万人の死亡が想定され、がんの死亡者数を超えるとされています。

医療者だけ意識改革を行えばすむ話ではありません。

なぜならば、日本では抗菌剤を万能薬と勘違いしていらっしゃる方も多いからです。

風邪でも抗菌剤を処方されなければ納得いかぬ患者さんやストック用の抗菌薬処方を求める患者さんもいらっしゃるため、適正使用のためのガイドラインを出しても「現場」でそれが実践されているかと言えば、そうとも言えない現実がございます。

 

さらに動物では人間以上の問題が。

動物用抗菌剤の販売医療は人間の2倍。

家畜は一般的に集団で飼育されるため、集団に与える水やえさに混合して薬を投与します。

そうなると、治療が必要な動物はもちろん、投与が本来必要がない動物へも薬が投与されることになってしまいます。

また、医薬品としてだけではなく、成長促進や飼料効率改善の目的で、飼料添加物として薬が投与されています。

 

感染症に国境はないことを考えると、これは日本だけが守っても菌の発生を封じ込めることはできません。

しかし、新興国の抗菌剤使用料は増加の一途をたどっています。

以前、日本で起こっていた「安易な抗菌剤処方」現象が、アジア諸国で起こり始めているのです。

新興国で適正使用が行われぬまま放置していると、耐性菌が生まれることで、新たな感染症がすぐに海を渡ってくる危機は免れないでしょう。

 

勉強して臨んだつもりでしたが、話を聞けば聞くほど危機的状況であることが認識できました。

3月中に政府はアクションプランを出す予定です。

あと数日。

皆さまもその動向にご注意いただきたいと思います。

 

怪我をしても肺炎になっても中耳炎でも、抗菌剤が効かない。

ペニシリンが生まれる前の時代に後戻りする事態がそこにあります。

私もさらに学びを続け、議論できるところまで高めてまいりたいと思います。

 

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予算委員会

3月18日、予算委員会、外交・安全保障集中審議

今まで、医療・福祉・子育てや女性問題を中心に質疑いたしておりましたが、今回初めて「外交・安全保障」を議論する場に立たせていただきました。
昨年、韓国で開催された「第1回グローバルヘルスに関するアジア太平洋国会議員フォーラム」に参加して以来、保健医療分野において、日本が新たなリーダーシップを世界から求められていることを知り、私なりにこれまで学んできたことを確認し提案してみようと考えました。
しかし、安保法制や拉致問題、防衛など議論される中、果たして「国際保健」という少々色が違う議論が受け入れられるのか、一抹の不安を抱えながらの質疑でした。

西アフリカのエボラ出血熱は1万人以上の死者をだしました。
主要産業である鉱山は閉鎖され、感染拡大防止のために国境も市場も閉鎖され、経済手損失は計り知れないものとなっております。
また、隣の韓国でも昨年はマーズ騒ぎで病院が閉鎖され観光も大打撃を受けるなど、経済活動にも支障が出ました。

今や飛行機で12時間もあれば地球の裏側まで行ける時代です。
遠い国の感染症流行も、そこにある危機となったのです。
感染症にもはや国境はありません。
そのため、国際保健は「一保健分野」に留まることなく、より高いレベルで議論され始めているのです。
昨年、国連においても「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に感染症を含む幅広い疾患対策が達成目標となりました。

今年は5月に伊勢志摩サミットが、9月には保健大臣会合が開催されます。
海外から、日本が「グローバル・ヘルス・リーダー」として、世界の保健医療水準の向上にさらに貢献することが期待されています。
この機会に、日本が国際保健において強いリーダーシップを発揮することは、日本の存在価値を上げ、新たな立ち位置を確立することにもなるのです。
保健医療は、開発や国家成長の重要戦略であるのみならず、外交安全保障戦略の主軸となっているのです。

日本には、国民皆保険制度(保険証1枚でどこでも医療が受けられる)がございます。
そして、世界最高水準の衛生状態を保ってきた公衆衛生の技術がございます。
これらを「日本の強み」としてさらに力を発揮できるチャンスがまいりました。
日本の技術を売り出すためにも国内外にこのことを広く知らしめる必要があるのです。

これまで、世界の開発分野では「貧困があって病気になる。だから経済開発を優先すべき」という考えがございました。
しかし、最近では「病気があるから貧困になる、だから健康に投資しなければならない」という考え方に変化してきたのです。
今回の西アフリカのエボラ出血熱は、「健康に投資をすることで、経済活動を促すことができる」ことを教訓とすべき事例となったのではないでしょうか。
外務省へは「医療保健」を外交の主軸としてさらに強めて欲しいことお願いいたしました。

しかし、それを実際に行う「人」「人材」が不足しているのです。
国連も世界保健機構においても、「お金は出すが人はいない」という状況が続いております。
拠出額に見合った職員数の三分の一以下の日本人職員では、日本の存在価値を上げることはできません。
厚労大臣からは、以前私が提案した「感染症マネージメントができる人材育成」のために4名の研修生が海外で研修中だとご報告いただきました。
また、厚労省からもWHOへは2年周期、外務省への人事交流も始めたばかりであり、何とかせねばならぬと審議会でも議論中であることをお話しくださいました。

さらに、日本が世界へ貢献している一例として、戦後の日本で生まれ、母子保健の改善に大きく寄与してきた母子健康手帳をご紹介いたしました。
母親と子ども双方の健康を守るツールとして、途上国をはじめ妊産婦の健康と小児死亡の減少を目指す国々で注目を集め、今では、日本初の母子手帳は世界30か国以上、年間800万冊利用されるにいたっています。
死亡率の低下は、母子手帳を使用することで、妊娠・出産・育児に対する情報の提供を行い、「女性の当事者意識」を喚起し、身近な生活者視点が活かされた結果ともいえるのです。
今回の会議においても、女性の「生活者としての視点」を大切にしたシステムを構築し、地に足ついた施策として欲しい旨、総理に提案いたしました。

現在、日本は世界でどの国も経験したことのない速度で高齢化が進行しています。
これからどの様な形で持続可能な社会保障制度を構築していくのか、世界中が注目しています。
我々の経験を世界と共有しながら、国際保健のリーダーとして世界の保健医療を牽引していくことを強く求め、質疑を終わらせていただきました。

賛否両論いただきました。
しかし、私は日本の持ち得る知恵や技術が国際平和、そして平和外交の強力なカードとなり得ることを肌身で感じてまいりました。
そして、そのことを皆さまと共有する機会がこの様に予算委員会の場で持てたことは幸せだったと思います。
まずは伊勢志摩サミットにおいて「日本が考える国際保健」がどの様な形で発信されるのか注目してまいりたいと思います。

応援いただきましたこと、心から感謝申し上げます。

 

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「障がい者スポーツ医」

予算委員会で行った「障がい者スポーツ」について、皆様から様々なご意見、励ましをいただき、心から感謝申し上げます。

 

私が障がい者スポーツと関わるきっかけは「スポーツ議員連盟」、そして産業医として障がい者雇用をサポートしている経験からでした。

医師として政治家として、自分に何ができるのか考えた時に、まず、「障がい者スポーツ医」を取得しようと思い立ちました。

その講習会で体験させてもらった車いすバスケット選手の皆様の優しい笑顔に、障がい者スポーツの大ファンになり、もっとこの素晴らしさを皆様にも伝えたいという思いで質問に立たせていただきました。

 

しかし、聴覚に障がいをお持ちの聾者の皆様は、パラリンピックに出場できません。

だったら、聴覚障がい者のオリンピックである「デフリンピック」を日本に招致したらもっと聴覚障がい者への理解も進むことになる。

そのためには、国際手話を学ばねば、海外の聾者と会話もできない。

国際手話を学ぶには、ネイティブの方と話せる日本語手話も習得せねば。

という過程を経て、現在、日本語手話と国際手話もネイティブの先生から教えていただき、記憶力の限界との勝負をいたしております。

 

知的障害をお持ちの方も、「スペシャルオリンピックス」がございます。

しかし、スペシャルオリンピックスだけが、末尾に「ス」がなぜ付くか?

それは公式五輪との違いを明確にするために敢えて表記された物だと友人より教えられ、ショックを受けました。

質問に敢えて「デフリンピック」「スペシャルオリンピックス」という言葉を入れたのは、私の学べば学ぶほど芽生えた疑問からでした。

 

私一人にできることは小さなことです。

しかし、今回の様にテレビに映ることで、障がい者スポーツに興味を持っていただける方が一人でも増えたら、何かが少しずつ動き出すきっかけになるのでは。

そんな思いを込めた19分でした。

 

皆様の反応に戸惑っていたところ、日本障がい者スポーツ協会から「障がい者スポーツ医」認定証が届きました。

きっとこれは今回の質問に対するご褒美なのでしょう。

そして、これからもしっかり障害者施策に取り組めという神の声なのでしょう。

これからは、どんどん現場に出ていこうと思います。

 

皆様も身近な障がい者スポーツ大会を覗いてみてください。

そこにはきっと体験したことのない「笑顔」があふれていることでしょう。

そして、その笑顔を私とも共有いただければ幸いです。

 

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厚生労働委員会

3月15日は、厚生労働委員会「社会福祉法改正案」の質疑でした。

最近は予算委員会の緊迫した雰囲気に痩せる思いでしたが、厚労委員会の部屋でいつものメンバーに囲まれると古巣に戻った感覚で、肩の力が抜けていくのが分かりました。

 

障害者や高齢者などの福祉施設や保育園や医療機関を運営している「社会福祉法人」。

この法人は、地域社会のために活動し貢献しているため、税制優遇がなされております。

本来であればそのために必要である「経営や事業の運営の透明性」は乏しく、経営組織のガバナンスの強化や事業運営の透明性の向上などが課題となっておりました。

本法案では、ガバナンスの強化や透明性の確保など、ハード面の体制整備を中心に、福祉人材の確保のため、福祉人材センターに離職した介護福祉士の届出制度を創設する案も盛り込まれております。

 

私はこの法案を見た瞬間、そして皆の質疑を聞きながら、言葉にならない「違和感」を感じておりました。

何かが違う。ただの机上の空論、上滑りの質疑。

私の主張は単純です。

『利用者の皆さまに喜んでいただける「寄り添う介護や保育」などが提供できるための改正なのでしょうか?』ということです。

 

労働には、体を使う「肉体労働」、頭を働かせる「頭脳労働」感情を商品として提供する「感情労働」の3つがあります。

そのうち、感情労働は、本来の感情を押し殺して業務を遂行することを求められる仕事で、まさに介護や看護、保育などがこの分野の労働の典型です。

 

介護職は、日常的に数多くの利用者に対して、個別性の高い介護を提供しなくてはなりません。

疲労を感じていたとしても、「感情労働」によって無理な感情コントロールと精神的・情緒的な疲れを無視したまま介護を行うことで、次第に燃え尽き症候群となってしまうのです。

バーンアウトした心は、利用者に対して無情で非人間的な対応「虐待」などを起こす危険性をはらんでおり、離職につながるケースもあります。

そのため、私は、この法案が介護職のストレスや燃え尽き症候群などの調査研究の基、創り出されたものなのだと思っていたのですが、実際は違っておりました。

 

中身は審議会で出た内容をまとめただけ。

介護とストレスについての調査もここ10年行われておらず、心が疲れた介護職のメンタルケアもろくに提供されていないことが分かりました。

何たる失態・・・

利用者目線、介護者や保育者目線に立った法改正でなければ意味がないと思うのは私だけなのでしょうか。

お給料を上げたら離職が減るのか、試験に優秀な成績で合格したら質の高い介護が実践できるのか。

介護や保育という「人が人をケアする職」の難しさや苦悩が理解されぬまま冷たい条文がならんでしまったことが残念でなりません。

 

大臣も調査を行っていなかったことに驚き、担当部署に指示してくださいました。

福祉に携わる皆さまが、穏やかにそして余裕をもって利用者に寄り添える様、これからも私なりのアイディアを厚労省に提案してまいりたいと思います。

 

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プロフィール

薬師寺道代
(やくしじみちよ)
参議院議員
医師
(専門:生命倫理・医療政策・緩和医療・医療コミュニケーション)
NPO法人 からだとこころの発見塾 理事

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