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2011-09

自然の驚異?人間の怠慢?

まず、台風で被害に合われた皆様へ、お見舞い申し上げます。

本当に恐ろしい雨風でしたね。「バケツをひっくり返した」という表現は、このためにあったんだと実感いたしました。

大震災の後、避難用具を揃え、「これで万全!」と思っていたら、まさに想定外。尋常ではない雨風の前に、ただただ怯えることしかできませんでした。

「人間は自分たちの能力を過信し過ぎている」

そう自然が訴えている気がしてなりません。

地震・津波・台風・・・。

自然災害に対して人間の創り出したものは何と弱いものなのか。自然の驚異を目の前にして、人工建造物は100%の安全などありえないことを、何度も目にしていたはずです。しかし、まだ、「まさか自分には起こるまい」と楽観的に受け止めている方も多かったのではないでしょうか?

今回の台風では、名古屋市で、避難勧告が100万人以上に、避難指示は8万人に出されました。しかし、実際に避難したのは、5千人弱。その上、職員も避難所に常駐させず、避難所に備蓄食料があるのに、避難者に配らないミスがあったことも分かってきました。

また仮に、勧告を受けた全員が避難した場合、 受け入れ場所の確保は難しいという信じられない事実も浮き彫りになりました。

「避難勧告って何?避難指示と何が違うの?」という方も、私の周りには少なくありません。考えてみたら、災害対策について学んだこともなく、知らなければならないという意識も薄かったはずです。

今度こそ、真剣に防災について国民全員で議論し、学びませんか?

自治体も本気で想定外の事態に対して、制度を整えませんか?

学校でも、自らの身を守る術を教える教育も始めませんか?

しかし、日本は過去に学ぶということがどうも下手な国のようです。

世界最高水準の安全性を保っていたはずの原発が、あれだけ大きな事故を起こしたにも関わらず、日本の総理大臣が「今後、原発の安全性を世界最高水準に高め・・・」と国連会合という世界の大舞台で訴えているくらいですから・・・

誰のための政治なのか?

人民の人民による人民のための政治

(government of the people, by the people, for the people)

エイブラハム・リンカーンが、南北戦争の激戦地となったゲティスバーグで戦没者を祀った国立墓地の開所式での挨拶の中の言葉として有名です。これは、民主主義の本質を語ったものとして世界的に知られています。

リンカーンは、教科書でもお馴染み、第16代アメリカ合衆国大統領。初の共和党所属大統領。偉大な解放者 (the Great Emancipator)、奴隷解放の父とも呼ばれています。

私は、この言葉が大好きです。

なぜなら私が目指している医療が、まさに「人民の人民による人民のための医療」だからなのです。

医療は医師が施すものではありません。医療は医師の金儲けや名誉のために行う行為でもありません、ましてや患者さんは医療を医師任せにしてはなりません。

患者さんは自ら立ち上がり、病と闘わねばなりません。そのためには、身体や病について勉強し、医療者・家族とともに、治療チームの一員として自らの治療にあたっていただきたいのです。

これから考えて、今の政治はどうでしょうか?

野田内閣の支持率60%・・・?

経産相の辞任と枝野氏就任!

融和を重んじるがあまり、まさに内向きの人事・派閥人事に徹した結果がこれでした。

このような事態の収拾に、「即戦力を重視」した人事が行われたとの報道に、誰もが首を傾げたことでしょう。復興のため、原発問題の解決、そしてまさに崖っぷち日本経済のために、経産相の人事が重要ではなかったのでしょうか?即戦力もない素人大臣が任命されていたこと自体が理解できません。

一国民として、私は声高に叫びたい。

「民主党の民主党による民主党のための政治は止めてくれ!」

もっと、我々も政治の本質に関心を持ち、すべて政治家任せではなく、日本国民の一員として、日本という企業の経営に関わるべきではないでしょうか?

成熟した社会への道のりは、まだまだ遠い・・・

一時的な風任せ・人気取りのフィーバー選挙をまず克服し、地に足ついた選挙を行わなければ、日本社会の明日がないと感じてしまうのは、私だけなのでしょうか?

増税?本当に納得できますか?

野田新政権が発足し、財政再建に向けた消費税増税断行へ大きく舵をきった。

本当にこれでいいのですか?

「震災もあり、増税も仕方ない」国民の半数が増税に賛成。

本当にそれでいいのですか?

社会保障と税の一体改革成案では、高齢化社会に向けての増税の方向性が報告された。

本当に信じていいのですか?

もう一度、立ち止まって冷静に考えてほしいのです。

「日本人は、人が良くおとなしい」、海外でも定評がある。でも、人が良すぎやしませんか?

何度警告しても、オレオレ詐欺が後を絶たない日本。

政府が「お財布が厳しいんだ」と言えば、すぐにお小遣いを渡す。何に使ったのかも聞きもしないで・・・・

今回の原発事故でも、政府の無駄がムダを生む構造が明らかになったではないですか?

「政府には無駄などない」という官僚の皆さまにお尋ねしたい。

・原子力安全・保安院はなぜ機能しなかったのか?

・保安院に属する数えきれないほどの審議会や研究会は、今まで何をしていたのか?

・経産省から、なぜ東電に天下るのか?

・原子力安全基盤機構、日本原子力文化振興財団など数多くの天下り法人は存在意義があったのか?

・核のごみの最終処分場もないまま、原子力政策は何を目指しているのか?

原子力政策一つとっても、構造・システムの破たんは明白である。経産省を中心に政府が拠出する原子力予算は年間約8370億円(2011年度概算要求額)。これを政府全体で考えたら、無駄の山・山・山・・・・総額がいくらになるのか想像もできない。

破たんし無駄を生む「構造」はそのままに、増税しても元の木阿弥。

増税・借金・増税・借金・・・同じことの繰り返し。

今、やらねばならぬことは、増税ではない。真の構造改革だということがはっきり見えてきた。

見せかけだけの事業仕訳ももう要らない。構造はできるだけシンプルに、国民に向かい合うための組織改革を断行する時ではないだろうか?

「たとえつらいことでも真正面から引き受け、真摯に臨むなら国民は必ず理解してくれる」

辛さを国民に強いる前に、官僚・議員自らの襟を正せ!

「増税の前にやるべきことがあるだろう!」再び叫ぶ時がやってきた。

オレオレ詐欺に二度と引っかからぬために、しっかりと新政権が「何をやるのか」を共に見極めてほしい。

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プロフィール

薬師寺道代
(やくしじみちよ)
参議院議員
医師
(専門:生命倫理・医療政策・緩和医療・医療コミュニケーション)
NPO法人 からだとこころの発見塾 理事

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