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2010-08-19

日本を支える卵たち

常勤先・非常勤先の大学で、夏期講義を再開!
学生との「バトル」を楽しみながら、この暑い時期を例年通り、過ごしています。
いいですね、若い力と一緒に物事を考えるクリエイティブな時間。無限の可能性を感じます。
福祉系の大学ですので、授業を選択し、単位を取得します。「これって普通のことだよ」と思われるかもしれませんが、医学部単科大学は、すべての授業が必修。いつも同じメンバー・同じ学年で、いつも同じ話題でした。だからこそ、様々な学年が混ざり合う縦割り授業を羨ましく思い、多様な参加者だからこそ、楽しめる・会話できる授業を、いつも私は心がけています。
授業ごとに、だいたいどの学年で取るのが適当なのかが示されているのですが、1・2回生が中心の講義に、時々4回生が混じっていることがあります。参加理由は、よほど興味があるのか、「卒業が危ない!」かのどちらかです。今回も「卒業できないぞ~」という常連が数名、1・2年生と共に、椅子に座っています。「あちゃ~、これは大変だぞ」覚悟しました。たいていの場合、授業中眠ってばかりでテストに合格しないか、途中でいなくなりテストの受験資格がなくなり単位が取れないか、文句ばかり代表して訴えてくるなど手を焼くことが多いのです。皆、数年前に教えた時には、全く授業に参加せず、真面目の「ま」の字も感じられなかったことを覚えています。
案の定、そのうち最終日まで残った4回生は2名。ところが、その2名、3日間の朝から晩までの集中講座にもかかわらず、全出席、私語なし、集中力も素晴らし。その上、グループのリーダー役として後輩を引っ張って行く姿まで見られました。数年前の彼らとは別人です。授業が終了し、少し話をしてみました。その会話のキャッチボールも「パシ!」と良いところに投げられてきます。就職も決まり、堂々としたその姿には、感激でした。
1・2年生は言います。「先生、うちの大学の学生に、こんな難しいことを求める方が無理なんだよ。出来ないよ~。」そんな彼らも、最終日には、私が何をやりたかったのか、しっかり理解・連動し動いています。
若い世代には、「二極化された現実」が染みついているようです。「努力」「忍耐」などはすでに死語。誰に言われたのか、「自分達は落ちこぼれ・・・」「その日が楽しけりゃいいと思って何が悪い」「将来なんて関係ない」そんな風潮がはびこり、社会で何が起こっているのかも無関心。これでは、「日本の総理大臣の名前は?」「臓器移植法はどこが改正されたの?」「なぜ、高齢者の所在確認ができなかったの?」など最近のトピックスを聞いても答えは返ってこないのが当たり前。
もっと、彼らに、大きな視野で大きな社会を見せてやりたい。あなた方が、将来の日本を背負うのですよ!小さくまとまるな!日本を、世界を見ようよ!
4回生の豹変ぶりを見るにつけても、
「まだまだあなたは白紙の状態」
「無限の可能性を秘めた宝物ですよ」
若者たちにメッセージを発信し続けなければなりません。
彼らの芽を摘まないでください!
「大きな子供」こそ、将来を支える巨人に変貌する卵なのです。

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プロフィール

薬師寺道代
(やくしじみちよ)
参議院議員
医師
(専門:生命倫理・医療政策・緩和医療・医療コミュニケーション)
NPO法人 からだとこころの発見塾 理事

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