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若者を自殺に追い込むものは(自殺対策強化月間)

  • 2013-03-03 (日) 12:12
  • 日記

3月は、自殺対策強化月間です。全国一斉に相談会などが行われます。

去年は15年ぶりに3万人を下回ったとはいえ、一日平均76人もの人(交通事故による死亡者数の7倍)が自殺に追い込まれていることは事実です。今後も、さらに対策の強化が必要です。

 

私も産業医でメンタルケアをいたしておりますと、最近、若者が簡単に人生を諦め、自尊心を失い、自己の存在価値さえも見失っていることが気になって仕方がありません。上司から怒られると出社拒否をする、業務量の調整や健康などの自己管理ができない、会社にそして社会に適応できない、症状は人さまざまです。

すぐに連絡も取れなくなるため、出社しないだけで、自死を心配し、安否確認に自宅を訪問することもしばしばです。

若年世代の死因の1位が自殺であることは世間にあまり知られていませんが、確実に自殺者予備軍が育っていることは、カウンセリングをしていてもその思いが伝わってきます。

しかし、それは彼ら個人の問題なのでしょうか?

私は、彼らの生きる意欲の喪失と共に、大きな音を立てて「若者世代の未来」が崩れていく気がしてならないのです。

 

政府は3年前から、自殺した人の市区町村別のデータを公表するようになりました。

また、それに加え、自殺対策の支援を行っているNPO法人のライフリンクも「自殺実態白書」を報告しています。

http://www.lifelink.or.jp/hp/top.html

この白書からは、ち密な聞き取り調査の結果、職業や年代によって、自殺に追い込まれる要因やプロセスなどが大きく異なることが新たにわかってきました。

自殺を個人や家族の問題だと、不幸を最小化していくことは簡単です。

しかし、自治体が自殺を地域の問題と捉え、この実態調査と、政府が公表している市区町村ごとの自殺データと重ね合わせ、さらにきめ細やかな対策を講じることが大切になのではないでしょうか。

 

ライフリンク代表の清水氏は、2月5日付読売新聞の「論点」でも、若者世代(15~34歳)の自殺について、「現代日本の若年世代にとって、自殺は非常に身近なリスクだ」『若者の自殺は「日本社会に対する三行半」』だとその深刻な状況を報告しています。

 

彼らに対して、今、我々は、何ができるのでしょうか?

経済的な豊かさだけを追い求めることだけで、解決できないことは明白です。

苦しさを乗り越えてでも、生きる価値がある社会を創造するにはどうしたらよいのでしょうか?

共に知恵を絞っていきませんか?

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プロフィール

薬師寺道代
(やくしじみちよ)
参議院議員
医師
(専門:生命倫理・医療政策・緩和医療・医療コミュニケーション)
NPO法人 からだとこころの発見塾 理事

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