Home > 日記 > 「学術手話通訳に対応した通訳者の養成事業シンポジウム」

「学術手話通訳に対応した通訳者の養成事業シンポジウム」

  • 2018-02-23 (金) 8:19
  • 日記

2月18日、午後は群馬大学で開催された「学術手話通訳に対応した通訳者の養成事業シンポジウム」に参加してまいりました。

 

群馬県は平成27年、全国の都道府県で3番目に手話言語条例を制定しました。

その後、群馬大学では障がい者教育講座の金澤先生を中心に、障がい学生のニーズに合わせ、様々な取り組みを行ってまいりました。

今日は、その中の一つ、群馬大学で新たに始めた「手話サポーター養成カリキュラム」を利用し、学生が手話通訳レベルの高い技術を身に着け、高度な学術手話通訳を担うというプロジェクトについてのシンポジウムが行われました。

 

欧米諸国では、専門性が高い手話通訳は大学・大学院レベルで養成がなされます。

例えば、医療通訳・法廷通訳・国際手話等々。

日本では、いまだそのシステムがなく、今後その必要性も含めて厚労省では調査研究がなされようといたしております。

 

専門家が専門家として専門用語で会話する。

専門家が専門家として学術手話で会話する。

一見当たり前の様に聞こえますが、日本の手話通訳の養成課程では大変難しいことなのです。

大学レベルの授業や専門学会での通訳は、学問的知識も要求されます。

難しいことを分かりやすく伝える手話ではなく、専門用語を専門用語として伝える事が必要なのです。

その様な中で、学術手話をその学問を学ぶ聴者の学生が習得する意義は大きく、将来、その分野の手話通訳も担うことも可能となります。

 

本日の基調講演は、大阪大学の相談支援部門講師としてご活躍の中野聡子先生。

ご本人も聴覚に障がいをお持ちですが、その活躍は素晴らしく、聴覚障がい学生へのサポートについては、「学術手話通訳」という新たなカテゴリーにも挑戦なさっていらっしゃいます。

阪大ではその専門性を活かして、養成講座も開講していらっしゃいます。

一般の手話通訳では大学レベルの講義が正しく通訳されていない現状や、学術手話通訳の新たな利用モデルなどをご披露いただきました。

 

全国手話通訳問題研究会からも手話通訳養成課程の限界や、「仕事として成立する手話通訳制度の展望を創る必要性」が語られました。

 

平均年齢50歳を超える手話通訳者。

手話「奉仕員」としてのボランティア精神だけに頼る制度や育成過程に切り込み、新たな概念で専門職としての手話通訳の育成が急務であることを確信いたしました。

群馬大学の皆さま、学び多き時間を本当にありがとうございました。

 

Home > 日記 > 「学術手話通訳に対応した通訳者の養成事業シンポジウム」

プロフィール

薬師寺道代
(やくしじみちよ)
参議院議員
医師
(専門:生命倫理・医療政策・緩和医療・医療コミュニケーション)
NPO法人 からだとこころの発見塾 理事

Return to page top