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第15回全国遺伝子医療部門連絡会議

  • 2017-11-21 (火) 9:21
  • 日記

11月18日、夕方から神戸国際会議場にて開催されている第15回全国遺伝子医療部門連絡会議にて講演させていただきました。

演題は「遺伝医療・ゲノム医療政策:立法府の立場から」

50分の講演に30分の質疑応答。

80枚のスライドを作成し、その日に臨みました。

 

私がこの3年間、障がい者施策同様に力をいれてきたのがこの「遺伝医療・ゲノム医療」です。

14年前に、人のゲノム(全遺伝情報)が解読されて以来、急速に医療の在り方が変わってまいりました。

この分野では、世界中の企業や研究者がしのぎを削り日々新たな医療技術が生まれています。

その流れについていけないのが、「制度」と「国民の理解」なのです。

 

国会内でも「遺伝医療・ビジネスを取り巻く諸問題を考える勉強会」を立ち上げ、医師・遺伝カウンセラー・研究者・患者会等の皆さまから14回にわたりご講演いただきました。

自民党の尾辻先生を筆頭に、先進医療の最前線、「遺伝医療・ゲノム医療を推進する上で今何が必要なのか」について学んでまいりました。

 

特に「がんゲノム医療」は、本年より政府を挙げて全面的にバックアップする体制が敷かれております。

患者さんのがん組織を使って、がんに関連する遺伝子に異常がないかを調べ、治療方針を決める「個別化医療」。

また、最近ではゲノム編集を容易に行える技術を人間が手に入れてしまい、正に神の領域にまで踏み込むことが可能となったのです。

 

しかし、「ゲノムって何?」と思っていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それもそのはず、一般市民への調査でも「ゲノム」「ゲノム医療」について「全く知らなかった」とした回答者が約3~4割。

この10年間、市民のリテラシーは全く向上していないことも分かっております。

だからこそ、医療を受ける際の架け橋となる「遺伝カウンセラー」の存在も大きいのですが、学界公認の認定遺伝カウンセラーは全国に100名程。

国会資格にもなっていません。

さらにゲノム医療は「がん」だけではありません。

今までも出生前診断・難病等では診断や治療に活かされており、これからは認知症についても患者さんのゲノム情報を分析していくことになります。

 

様々な状況で、皆さまのゲノム情報を検査・分析・収集していくことになりますが、その中には家族の情報も含まれることがございます。

その情報が就職や医療保険加入にも影響を与える可能性があるため、アメリカではゲノム医療を推進するために、「遺伝情報差別禁止法」が出来ました。

日本ではゲノム情報で差別が起こっていないと法整備には消極的ですが、今後検討を重ねていかねばなりません。

 

ゲノム情報を使用した医療の進歩は止められません。

だからこそ、その情報を正しく分析し、利用できる制度の構築と人材育成、国民のゲノムリテラシーの獲得は急務なのです。

 

遺伝子医療部門の存在する高度医療機関の代表者により構成される「全国遺伝子医療部門連絡会議」で講演の機会を頂けたことは良い刺激となりました。

今後とも現場の先生方や患者会の皆さまからもご意見をいただき進めてまいりたいと思います。

 

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プロフィール

薬師寺道代
(やくしじみちよ)
参議院議員
医師
(専門:生命倫理・医療政策・緩和医療・医療コミュニケーション)
NPO法人 からだとこころの発見塾 理事

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