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終末期医療の法制化研究会(シンクタンクの会)

  • 2017-02-21 (火) 10:51
  • 日記

2月19日、日本尊厳死協会東海支部主催の「終末期医療の法制化研究会(シンクタンクの会)」に参加してまいりました。

本日のテーマは「がんの終末期医療と緩和ケア」です。

シンクタンクの会は医師・弁護士・学者・有識者等の専門家が議論する年1回の貴重な機会なのです。

私も臨床では緩和医療医としてがん患者さんと向き合ってまいりましたが、本日は政策立案者として臨みました。

 

特に話題となったのは、「鎮静と輸液」です。

鎮静とは、がんの終末期に苦痛緩和のために最小限度の鎮静剤を投与することです。

一般にはこの鎮静が安楽死と誤解されているケースも少なくありません。

鎮静の目的はあくまでも苦痛緩和であり、死期を早めることではありません。

継続的な鎮静をかければ、意思の疎通が難しくなってしまうため、ご家族のご理解も必要となってまいります。

 

輸液の問題も終末期においては深刻です。

在宅では輸液を行わないと選択なさるご家族もいらっしゃる一方、病院等では点滴をしていないと医療ではないと不快感を示されるご家族も多いのです。

我々も、終末期にはなるべく輸液量を減らし患者様の身体を楽にしなければならぬと教わってまいりましたが、そこにもご家族の理解は不可欠です。

 

意思決定過程に関わったご家族であれば、なぜこの様な医療が必要であるのかご理解いただけるのですが、そこへ突然遠くから駆け付けた親戚がその姿を見て「なぜもっと治療を使わないのか、点滴しないのか」と激怒されるケースも少なくありません。

 

鎮痛剤などでは症状コントロールが困難で耐えがたい苦痛を緩和するために鎮静をかける、身体に無駄な水を溜めぬためにも輸液を減らしなるべくドライに保つ。

患者様の意思が明確に示されていても、この行為が消極的安楽死として捉えられる危険性があるため、医療者として躊躇してしまうことも多い様です。

 

私が緩和医療の最前線に立っていた25年前、そして今。

全く状況は変わっておりません。

疼痛緩和のため、様々な薬剤は開発されましたが、努力や忍耐が美徳という日本独特な文化も背景にあるためか、人生の最期の最期まで痛みとの闘いに頑張ってしまわれる方もいらっしゃいます。

 

患者さんの望む安らかな最期の時を送っていただけるためには制度や施策をどの様に整備せねばならぬのか、再度、厚労省へも投げかけ、私自身も考えてみたいと思います。

 

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プロフィール

薬師寺道代
(やくしじみちよ)
参議院議員
医師
(専門:生命倫理・医療政策・緩和医療・医療コミュニケーション)
NPO法人 からだとこころの発見塾 理事

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